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米国では2010年以降、マダニにかまれたことが原因で、牛肉や豚肉など赤肉へのアレルギー症状を呈するようになった人が最大45万人に上ることが、米疾病対策センター(CDC)の新たな研究結果から明らかになった。医療従事者でもこの疾病について知らない人が多いという。
α-gal(アルファ・ガル)症候群は、マダニにかまれることによって引き起こされるアレルギー症状だ。
α-gal(ガラクトース-α-1,3-ガラクトース)は、マダニの唾液に存在するほか、赤肉や牛乳製品にも含まれる炭水化物の一種。
体がこれに過剰反応し、じんましんや吐き気といった軽い症状や、極端なケースではアナフィラキシーのような重度の症状が出る。
CDCの研究結果によると、米国では2017年から2021年にかけ、α-gal症候群が疑われた症例は9万件を超え、毎年およそ1万5000件のペースで増加した。
CDCが発表した2本の論文のうち1本の筆頭著者は、α-gal症候群は新たに出現しつつある重大な公衆衛生問題であり、「患者によっては一生涯続く」可能性があると述べている。
ただしメイヨー・クリニックによれば、症状は時とともに緩和もしくは消滅する可能性がある。
マダニに再びかまれなければ、人によっては1~2年後には、また赤肉などを食べられるようになるという。
α-gal症候群の治療法や治療薬は現時点では存在しない。
連邦政府の諮問委員会は、α-gal症候群の治療法に関する研究を強化するよう求めている。
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